お茶を、ひとつの文化として。
次の世代へ、受け継ぐために。

現在、日本のお茶文化は大きな岐路に立たされています。空前の抹茶ブームが起こり、抹茶の原材料である碾茶の消費量が大きく伸びています。消費者は国内外で増加し、さらなる供給が待たれている状態です。一方でお茶産業全体を俯瞰して見ると、様々な問題が浮かび上がります。生産者の高齢化や後継者不足、ライフスタイルの変化に伴う消費量の減少。近年は抹茶ブームによって碾茶の生産へシフトチェンジする生産者が増えています。各地で生き残るための現実的な判断がなされる現在、長い年月をかけて培われてきた伝統技術や、地域のアイデンティティとも言える豊かなお茶の文化が、いま静かに失われようとしています。日本のお茶産業を長きに渡り牽引してきた静岡県も例外ではなく、内情はまさに世界のお茶情勢の縮図そのものです。

効率性や価格競争が重視される現代において、手間と時間を惜しまずに昔から続けられる本物のお茶づくりは、決して合理的とは言えないかもしれません。例えば、今ではほとんど姿を消した「菰掛け(こもがけ)」による玉露栽培や、お茶摘みさんによる手摘みでの収穫。これらは単なる作業ではなく、土地の風土と人の誇りが織りなす「生きた文化」そのものです。手法だけでなく、様々なストーリーを持つ品種が存在することも、守られるべき要素の一つです。しかし、これほど尊い価値を持つお茶が、正しく評価されないまま埋もれてしまっているのが現状です。

お茶の価値は、決して味の良し悪しだけで測れるものではありません。磨き上げられた技術、土地が育む風土、受け継がれてきた歴史、そして生産者一人ひとりの生き様。そのすべてが含まれて初めて、一杯のお茶としての真の価値が生まれます。このお茶の持つ価値や文化は、途絶えてしまう。その強い危機感から、私たちは立ち上がりました。

私たちが目指すのは、徹底した「生産者第一主義」です。味や文化的価値、希少性など、お茶が持つすべての魅力を一つの文化として昇華させ、広めること。生産者が誇りを持って「この仕事を続けてよかった」と思える未来をつくること。そして、若い世代がその魅力に触れ、収入面に不安を抱えずに参加できる、持続可能な産業にすること。これらの実現は、私たちがお茶に関わる意義です。

一杯のお茶との出会いが、誰かにとって日本の伝統に触れるきっかけとなり、生産者の未来を支える力になる。私たちはこのブランドを通じて、作り手と飲み手、そして文化が共に豊かになる循環を、ここから生み出していきます。

本物の、うまみを体感する。

収穫は年に一度、五月だけ。日本でただ一軒の菰掛け玉露を、数量限定でお届けしています。

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